「@cosme(アットコスメ)」は、コアユーザーに20~30代の働く女性を抱え、ウェブサイトへの月間訪問者数が1500万人(ユニークユーザー数)になる大人気サイトである (※同社「@cosmeサイトデータ資料<2017年3月>」による)。コスメや美容に関して圧倒的な情報量とバリエーションの豊かさでは他社の追随を許さない。2012年には東証マザーズに上場し、その後1年内に東証1部へ市場変更を果たしている成長企業だ。
本稿執筆時点で判明している直近女性社員比率が約6割と高く、女性管理職比率は4割にのぼる。女性が企業の力の中心となっているアイスタイルのオフィスのありかたは、ダイバーシティを考える企業にとって参考になるのではないか。
といっても、「女性だから」何か特別な設備があるわけではない。自然体で女性にとって居心地の良い空間が作られている(男性にとっても)。ポイントは、柔らかな雰囲気、誰が何をやっているか分かるオープンさ、すぐにコミュニケーションが取りやすい空間づくりだ。
その空気感をできる限り伝えるべく、本記事では写真を多く用いて構成した。同社のオフィスづくりについては、同社 経営管理本部 経営管理部 総務グループ マネージャー 小屋敷 瞳さんに話を伺った。
ではオフィスツアーに出かけよう。
■最寄駅は「溜池山王駅」と「六本木一丁目駅」
東京メトロ南北線・銀座線「溜池山王駅」13番出口より徒歩4分、南北線「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分という交通至便な立地だ。同社が入居するビルの建つ赤坂周辺は、TBSやテレビ朝日といったテレビメディアの本社もあり、IT系や金融系企業の入居する六本木ヒルズやミッドタウンも徒歩圏内という東京のメディアの中心地的な位置にあるのも魅力だ。
■エントランス
こちらの会議室は基本的に社内用会議室ではあるが、来客用会議室が不足するときには来客用にも使われるとのこと。
それでは執務スペースに入っていこう。
■執務スペース
【参考】キャスター付きの家具について
筆者も男性のため男性視点で見落としてしまいがちなのだが、ホワイトボードなど動かす必要のある家具がキャスター付きで女性1人の力で動かせるようになっているというのは、女性が活躍する企業では重要なポイントだ。同社は女性社員比率が7割と多いため、例えば男性社員が2人がかりでないと動かせないキャスター無しのホワイトボードといったものは置かれない。男性でないと動かせない重量の家具というのは障壁になる。
■ミーティング用チェア ヴィトラ(Vitra) ティップトン(TipTon)
また、建物中央側の通路には、ファミレスタイプのミーティングスペースも用意されている。
■ファミレススペース
■カフェカウンター
■ライブラリー
同社は成長に伴い、昨年オフィスフロアを増床しており、増床フロアにも、執務スペースと、会議スペースが配置されている。
■セミナールーム
■コートハンガーラック
■執務チェア ハーマンミラー セイルチェア
以上で株式会社アイスタイルのオフィスツアーは終了となる。
いかがだっただろうか。とても移転から3年以上経過したオフィスとは思えないデザインと使い勝手が作り込まれたオフィスではないだろうか。オープンであること、コミュニケーションできる空間が様々なスタイルで多く取られていることなど、まだまだ新しい要素が含まれている。また、オフィス内のカラーリングや雰囲気が場所によってトーンを変えており、全体的に視覚的なタッチの柔らかさも、女性が多いオフィスならではの気遣いに感じられた。
木の幹をイメージしたナチュラルなライトブラウンの柔らかい雰囲気の中で、通路を広く、コミュニケーションスペースをある種ぜいたくなくらい多く確保して活用している空間を見ると、「@cosme(アットコスメ)」を運用している同社のオフィス自体が、SNSのような活発なコミュニティとしての空間機能を持っているのではないだろうか。
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