今回はファッション専門店チェーン運営企業である株式会社アダストリアの東京本部オフィスを訪問しました。皆さんもご存じの「GLOBAL WORK」「niko and ...」など、アパレル・雑貨を中心としたライフスタイルブランドを展開している会社です。
同社オフィスは都内のいくつかの拠点に分かれていましたが、2017年7月に渋谷ヒカリエ内5フロアに集約移転。これまで接点が不足していた社員が顔を合わせて働けるようになりました。自由な働き方をしながらコミュニケーションをはかれ、想像力をかきたてるこのオフィスには、2019年現在、社員1300名が勤務しています。
■最寄駅は「渋谷」
渋谷ヒカリエは、東急東横線・東京メトロ副都心線・JR「渋谷駅」に直結した高層複合施設。かつての東急文化会館跡地です。渋谷駅周辺で進む大型開発プロジェクトのトップバッターとして開業したヒカリエは、情報・文化の発信拠点。低層部には東急百貨店やカフェ・レストラン、中層部には「ヒカリエホール」等の文化施設、高層部には企業オフィスがゾーニングされ、立体的に集積しています。
■オフィスへ
まず、同社エントランスのある渋谷ヒカリエ27Fまで エレベーターで上がります。アダストリアのオフィスは28・29・30Fの3フロアで、19Fにはショールームがあります。
■27F受付へ
エレベーターホールを下りたら受付へ向かいましょう。
不思議な空間が見えてきました。
■本部エントランス
入って見回すと、異世界のような光景に思わず息をのんでしまいます。ダークトーンで落ち着いた雰囲気の非日常的な空間です。
■ロビー
グリーンが印象的に使われた空間。展示スペースのディスプレイは定期的に入れ替わるとのこと。こちらは受付後に社員の方と落ち合うためのアテンドスペース。奥には大会議室が見えます。
■大会議室入口
今回は、大会議室は使用中だったため、入口のみのご紹介。
内部を可動パーティションで普段は分けておき、大きくも使えるようにしているとのこと。
戻って、右手の受付コーナーへ。
■受付
こちらのタブレットで社員の方を呼び出す自動受付です。
ここ27階には、受付と先ほどの大会議室のほか、来客用会議室とカフェがあります。
■受付のある通り
受付コーナーを過ぎて、奥に進んでいきましょう。
つきあたりにはカフェテリア「Aカフェ」が見えますが、受付の前はかなり広く、単なる通路というより、ぶらぶらと散歩できる「通り(ストリート)」のような空間になっています。
このストリートには来客用会議室が並んでいますが、そこへ向かう壁にはアダストリア創業以来60年あまりのコーポレートヒストリーが、素敵なイラストでデザインされており、見飽きることがありません。
■1953年水戸で創業
これは、コーポレートヒストリーのうちの「創業」の部分。1953年、茨城県水戸市で株式会社福田屋洋服店として設立されました。東京に移転したのは1995年のことです。
■渋谷ヒカリエに移転
ストリートにはこんなカジュアルなベンチシートも置かれていました。
壁のイラストストーリーは、この渋谷ヒカリエに移転してきた流れが描かれています。
■本棚のような壁も
ブックシェルフのようなイラストが描かれていますが......
アダストリアが生まれた1953年から現在までの時代を映すグッズを時系列で描いたイラストです。
上段。右から左へ、1953年から80年代まで。ビートルズ「ヘルプ!」のジャケットが見えます。
中段は90年代と00年代半ばまで。中ほどに懐かしいiMacの姿も。
下段は00年代から2017年まで。東京スカイツリーもしっかり描かれていました。
■来客用会議室
通りの左側に来客用会議室が配置されています。
来客用会議室の内部を撮影しました。
■A CAFEへ
それでは通りの突きあたり、明るい光の射すカフェテリアに入ってみましょう。
■社内カフェ「A CAFE」
入ってすぐの場所、右手はカウンターになっています。
本格的なカフェが入居しています。飲食事業を展開するアダストリアの子会社ADASTRIA eat Creationsが運営する「A CAFE」。
おいしそうなパンや焼き菓子に思わず目を奪われてしまいますが、ここは我慢して、カフェをぐるりと一周します。
■本棚
壁面の大きなブックシェルフは「SHARE BOOKS」コーナー。これらの本は社員から持ち寄ったもので、有志の図書委員の方が定期的にメンテナンスしているそうです。社員は自由に借り出すことができます。
カフェテリアの反対側まで、順に見ていきましょう。素晴らしすぎる空間ですから、下手に説明を加えるより、写真で味わっていただきたいと思います。
このカフェテリアは、夜は社内のイベントや懇親会に使われることもあり、昼とは異なる雰囲気を楽しめます。うらやましい。
ゾーニングの役割も果たしながら、イベント時は演台にもなる台が、空間を横切っています。
グリーンも豊か。素敵な空間です。
たっぷり満喫してリラックスしたところで、執務フロアの28Fに上がることにしましょう。
28~30Fが執務フロアになっています。
■執務フロアへ
階上に上がるには内階段を使います。
この渋谷ヒカリエのような高層ビルのオフィスで、複数フロアに入居する企業の多くが直面する問題が、フロア間のコミュニケーションです。わざわざホールまで出てエレベーターで上り下りするのは面倒だし時間もかかるから、フロア相互が疎遠になってしまいがちなのです。フロアを簡単に行き来できるこんな階段があれば、コミュニケーションが阻害される心配はなくなるでしょう(ただし、内階段を作る費用は原状回復費も含めてかなりかかりますが)。
階段を上がっていきます。通路裏側の防火シャッターに、ガレージ風のデザインで階数表示がペイントされていました。無粋なシャッターが急におしゃれな壁面に。
■階段周りのスペース
階段を抜けると、そこは少し小高くなったスペース。段差を活かしたミーティングスペースや、ファミレス席などが散りばめられています。
■商談室
こちらは社内会議用。
■27Fカウンタースペース
窓際にはカウンタースペース。渋谷の街を一望できます
■ファミレス席
階段周りには予約不要で使えるミーティングスペースが配置されています。
■オープンミーティング席
■円形のファミレス席
■カウンター席
階段というのは、ひとつの大きな動線であると言えます。その周りに、みんなが集まる会議室やミーティングスペースを集めたつくりになっていることがわかります。
■執務エリアへ
ここまでは細かくご紹介してきましたが、ファッションアパレルの同社執務フロアには、企画中の商品など撮影NGのものがたくさんありましたので、ここからは、ダイジェストでお送りします。28Fと29Fの執務フロアは、ほぼ同じつくりとのこと。
■執務エリア
やはり女性向けブランドを多く擁するアパレルということで、女性の姿が多く見られます。
こちらではパターンを作製中。シャッシャッシャ!
トルソーが数多くあります。アパレル会社ならではの光景です。
■オフィスチェア
執務用チェアはコクヨ「ウィザード2 (KOKUYO Wizard2)」を使われています。
さて、3フロアを占めるオフィス以外に、このビルには、同社のショールームも入っています。移転したばかりの19Fショールームを、早速案内いただきました。
■ショールーム
ショールームで見ることのできる同社のブランドがずらりと並んでいます。
各ブランドが、まるでお店のようにブースに分かれて展示されています。
このショールームは一般に公開されているものではなく、スタイリストやファッション誌の編集者などの業界関係者が来訪します。
以上、株式会社アダストリアのオフィスとショールームをご紹介しました。
ファッションカンパニーならではの美意識の高く想像力かき立てられるオフィスに仕上がっていました!
- こちらの記事もご覧ください
- 株式会社アダストリアのオフィスチェアを見せてください(オフィス訪問[2])【椅子コレ】
取材先
株式会社アダストリア
「niko and...」「GROBAL WORK」など、アパレル・雑貨を中心としたSPAブランドを展開するアパレル企業。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2018年1月25日